Research Press Release
フリードライヒ運動失調症の遺伝子治療
Nature Medicine
2014年4月7日
フリードライヒ運動失調症(心臓と神経系が損傷を受け、運動に問題が生じる)のマウスモデルで、遺伝子治療によって心臓の損傷が回復したという。この知見は、フリードライヒ運動失調患者の治療に応用できる可能性がある。
フリードライヒ運動失調患者では、ミトコンドリアの必須タンパク質であるフラタキシンの遺伝子に変異があり、神経変性、心筋症、糖尿病など、さまざまな症状が生じる。この病気の患者の主な死亡原因は、心不全である。
心臓のフラタキシンが欠損したマウスを用いてHelene Puccioたちは、フラタキシンの遺伝子治療によってミトコンドリア代謝が正常化し、心臓の損傷が回復することを実証し、この病気の治療に遺伝子治療が効果を示す可能性があることを明らかにした。
doi:10.1038/nm.3510
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature