Research Press Release
細胞を溝にはめ込んで再プログラム化する
Nature Materials
2013年10月21日
表面に複数の微細な溝(マイクログルーブ)が平行に形成された基板上では、非胚細胞の再プログラム化が促されて胚に似た状態が生じ、この状態があらゆる細胞型に変化することが、今週オンライン版に報告されている。このように表面を介して細胞の再プログラム化を調節することによって、再プログラム化の効率向上法や幹細胞技術を進展させる方法、生体材料を細胞工学用に最適化する方法がもたらされる。
体細胞すなわち非胚細胞から人工多能性幹細胞への再プログラム化は、多能性遺伝子の転写調節タンパク質の発現を誘導する小分子混合物を用いることによって、ごく普通に行われている。
Song Liらは、表面にマイクログルーブやナノファイバーが平行に並んだ細胞接着基板上で細胞を培養すると再プログラム化の効率が向上すること、またこれらの基板が遺伝子発現の強力な小分子修飾因子の効果の代わりになることを実証している。さらに、マイクロパターンやナノパターンを持つ基板は、細胞が細長い形状を獲得するよう誘導することによって多能性遺伝子の発現を増やし、DNAパッケージングタンパク質における特異的化学マーカーのレベルを変化させることを示している。
doi:10.1038/nmat3777
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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