Research Press Release
アメリカの地下のホットスポット軌跡
Nature Geoscience
2013年9月16日
ホットスポットの軌跡(地球の剛体の地殻とマントルを通って数千キロメートルも伸びている線状の火山岩列)が、米国東部の地下に隠されている可能性があるという報告が、今週オンライン版に掲載される。この軌跡は、北米テクトニック・プレートが約1億年前に上昇する高温のマントルのプリュームの上を通過した際に形成され、地震活動とミズーリ州ニューマドリッド地溝帯の断層運動の引き金となった可能性がある。
ホットスポットの軌跡を陸地の上で同定するのは、大陸がとても厚いので困難である。Risheng Chuらは、地震学的データを用いて米国東部の大陸の構造を解析した。彼らは、大陸内部の東西方向にミズーリ州からバージニア州まで伸びた線状の地震学的異常を同定したが、地表には何も現れていなかった。著者らは、コンピューターモデリングを用いて、この異常は北米テクトニック・プレートの下から上昇する高温のマントル・プリュームの上をプレートがゆっくりと移動していく際に形成された可能性があることを示している。
doi:10.1038/ngeo1949
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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