Research Press Release
【画像化】拍動する心臓を拡大撮像する
Nature Communications
2012年9月12日
拍動するマウスの心臓の高分解能画像が数時間にわたって得られる顕微鏡システムが開発された。このシステムは、ゲートによる画像取得アルゴリズムと動き安定化装置を組み合わせたもので、他の器官についても、それぞれ適応する装置を作れれば、in vivo画像化が促進される可能性がある。この研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
現代の顕微鏡を使えば、高分解能画像を高速で取得できるが、通常は、対象物があまり動かないことが必要で、このことが、特に、動物を対象とした画像化における課題となっている。心臓や呼吸器が動くことで画像の不具合を生じるからだ。今回、C Vinegoniたちは、リング型の動き安定化装置を設計し、麻酔をかけたマウスの心臓に取り付けた。また、心臓周期と呼吸周期の特定の時点で撮像した断片的な画像のみを使用することで、動きによる画像不具合は、さらに少なくなった。そして、最終的な画像は、リアルタイムにコンピューター上で再構築された。Vinegoniたちは、この顕微鏡を心筋梗塞のマウスモデルに用いて、白血球が、冠血管を通って、心臓の炎症領域に向かって移動する画像を得た。
doi:10.1038/ncomms2060
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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