環境科学:都市規模にいたるまでのマクロプラスチック汚染の世界的インベントリー
Nature
2024年9月5日
都市規模の包括的なマクロプラスチック汚染のインベントリーに関する論文が、Natureに掲載される。この研究は、世界中の50,000以上の都市におけるプラスチック廃棄物の汚染ホットスポットを明らかにする。また、この調査結果は、プラスチック汚染の性質、範囲、および原因に関する洞察を提供し、環境からプラスチックを排除するための国家および地域戦略の策定に役立つ可能性がある。
プラスチック汚染は、環境への残留性と生態系および社会への悪影響により、差し迫った世界的な課題であり、早急な対策が求められている。プラスチック汚染に関する世界的なインベントリーは、問題の規模を把握し、効果的な介入のための証拠基盤を提供するために役立つ。従来のモデルでは通常、国家レベルのデータを使用するものの、国家レベル以下の分析による情報は限られている。
この問題に対処するため、Costas Velisらは、プラスチック廃棄物が最終的にどこに行き着くのか、また、どのようにしてそこにたどり着くのかを理解するために、さまざまな廃棄物管理システム、機械学習、および物質フロー分析から得たデータを使用して、マクロプラスチック汚染インベントリーを作成した。著者らは、世界中の50,702都市を対象に、プラスチック汚染を都市レベルで定量化し、モニタリングした。その結果に基づき、研究者は、年間5,210万トンのマクロプラスチック廃棄物が環境中に排出され、そのうち、約57%が野焼きされ、43%が焼却されないまま残っていると推定した。プラスチック汚染の最大の発生源は、北半球ではポイ捨てによるものであり、南半球では回収されない廃棄物が主な発生源となっている。また、プラスチック汚染の排出量は、南アジア、サハラ以南のアフリカ、東南アジアの国々で最も多いことも示された。インドはプラスチック廃棄物の最大の排出国となり、世界のプラスチック排出量のほぼ5分の1を占めている。
著者らは、この調査結果はマクロプラスチックの生成と輸送に関する理解を深めるものであり、プラスチック汚染に対処するための潜在的な介入策のより包括的な評価と、より的を絞った実現可能な戦略の開発に向けた証拠を提供できる可能性があると提案している。
Cottom, J.W., Cook, E. & Velis, C.A. A local-to-global emissions inventory of macroplastic pollution. Nature 633, 101–108 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-07758-6
doi:10.1038/s41586-024-07758-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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