Research Press Release

疫学:米国のCOVID-19疾病負荷をマッピングする

Nature Medicine

2020年6月16日

Epidemiology: Mapping COVID-19 disease burden across the USA

米国でCOVID-19による1人当たりの疾病負荷や医療システム需要が最も大きいのは、都市以外の地域である可能性を示したモデル化研究がNature Medicine に掲載される。この知見によって、都市圏以外の地域の住民が医療や公衆衛生資源を確実に利用できるようにすることの重要性がはっきりした。

米国のCOVID感染症例数が最も多い地域を特定することは、パンデミックの際に救急医療や公衆衛生資源の配分を決める上で非常に重要である。

I Millerたちは、年齢特異的な死亡パターンと人口統計データを使って、COVID-19による累積疾病負荷とその後の医療資源への負荷を米国全域にわたって調べ、地図を作製した。彼らは、SEIR(susceptible-exposed-infected-recovered)疫学モデルの改良版を開発し、3142の郡および郡に相当する行政区について、その人口の20%が感染しているというシナリオの下で解析を行い、基本再生産数、接触パターン、隔離の有効性といった、伝播パターンに関するさまざまな仮定にわたって、一貫して他の郡よりも感染によって深刻な影響を受けると思われる郡を突き止めた。さらなる支援を必要とする地域には、西部のほとんど、中西部の北部、フロリダ、ニューイングランド北部が含まれることが分かった。COVID-19の重症度には年齢が関係するため、1人当たりの疾病負荷が最も高いのは、60歳以上の高齢者の割合がもっとも高い地域だった。

COVID-19罹患リスクの上昇につながる他の要因(持病、社会的要因、医療へのアクセスの悪さなど)が、特定地域での疾病負荷をどのように増大させるかを検討するには、今後の研究が必要である。公衆衛生当局が緊急対策を立案する際には、個々の郡についての予測よりも、相対的な疾病負荷パターンの方を慎重に考慮すべきだと、著者たちは提言している。

doi:10.1038/s41591-020-0952-y

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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