【健康】肥満関連の健康リスク評価を向上させるために腹囲を計測する
Nature Reviews Endocrinology
2020年2月5日
医療従事者は、肥満に関連した健康リスクを適切に評価し、管理するために、ボディーマス指数(BMI)とともに腹囲を定期的に計測すべきだというRobert Rossと16人の研究者のグループの見解を示したConsensus StatementがNature Reviews Endocrinologyに掲載される。Rossたちは、潜在的な健康リスクを減らすための極めて重要な治療標的が腹囲の減少だと主張している。
BMIの測定と腹囲の計測を併せて行うと、患者の心血管代謝リスクを管理する作業が改善されることは、数十年間にわたる研究によって明らかになっているが、腹囲の計測は、臨床診療で日常的に行われていない。
この論文で、Rossたちは、肥満に関連した心血管代謝リスクを評価する際にBMIだけでは不十分なことを示す証拠を概説している。例えば、過体重者または肥満者は、2型糖尿病や心血管疾患などの心血管代謝疾患を発症する者が多い一方で、代謝的に健康な者もいる。しかし、成人の場合、代謝的に健康な肥満者の割合は、年齢と民族と環境因子の違いによって大きく異なっている。
Rossたちは、肥満を分類するための重要な生命徴候(バイタルサイン)として、腹部の脂肪蓄積を表す簡易な指標である腹囲をBMIと共に考慮すべきだと主張し、臨床的に意味のある腹囲の減少は、生活習慣に対する介入によって実現できることを報告して、医療従事者が腹囲を適切に測定するための訓練を受けることを求めている。
doi:10.1038/s41574-019-0310-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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