Research Press Release
【化石】地球最古の生命化石がグリーンランドで発見
Nature
2016年9月1日
これまでに知られている化石の中で最も古いのがイスア(グリーンランド)の37億年前の微生物累層であることを説明する論文が、今週掲載される。この化石は、地球上における生命の存在を示す化石証拠として現在最古のものより2億2000万年も古い。
今回、Allen Nutmanたちは、グリーンランド南西部のイスアで発掘された変成岩(約37億年前のものとすでに年代決定されている)の中に保存されていた高さ1~4 cmのストロマトライト化石(微生物の層状成長によって形成された堆積岩層)を発見した。 この化石は、最近の万年雪の融解によって出現したものであり、浅海環境で堆積したものと考えられている。この岩石の詳細な化学組成、堆積構造、岩石中の鉱物などいくつかの証拠を総合すると、このストロマトライトが生き物によって作られたことが示されている。
以上の新知見は、生命の起源を40億年以上前と定めた過去の遺伝的分子時計研究とも整合性がある。
doi:10.1038/nature19355
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change