Volume 419 Number 6910

今週のハイライト

目次

News & Views

動物の行動:お尻を振っても割があう場合

Animal behaviour: When it pays to waggle p.885

ミツバチの尻振りダンスは、どこに行けば食べ物が見つかるか、方向を教える身振りである。しかし、こういう情報が価値を持つのは、一定の状況に限られるらしい。

doi: 10.1038/419885a

天文学:時の始まりの頃の遺物

Astronomy: Relic of the dawn of time p.886

ヘリウムより重い元素は星で合成される。しかしビッグバンの後まもなく作られ、重い元素を殆ど全く含まない星というものは存在するのだろうか。このような星が発見され、宇宙の歴史の初期について新しい手がかりが得られた。

doi: 10.1038/419886a

材料科学:ナノ材料の長所

Materials science: Nanomaterial advantage p.887

物質が、強いあるいは引き延ばせるという性質のどちらかを持つことはあるが、この両方を兼ね備えることは滅多にない。銅を加工して、ナノ構造を持つ複数のサイズの粒子にすると、変形させた場合に高い強度と延性を示す材料ができる。

doi: 10.1038/419887a

化学:皮一枚の厚み

Chemistry: Only skin-deep p.889

表面構造の細部をその下のバルク部分から分離することは難しい。X線を使った技術により、水とメタノールの原子レベルの表面構造の、より鮮明で対称がはっきりわかる写真が得られた。

doi: 10.1038/419889a

分子生物学:翻訳を仕切るRNA

Molecular biology: RNA gets a grip on translation p.890

RNAの研究者にとって、今はおもしろい時期だといえる。最新のちょっと変わった成果は、mRNAのあるものが小型の分子を直接識別する塩基配列を持ち、それによってRNAのタンパク質への翻訳を制御しているという発見だ。

doi: 10.1038/419890a

環境:ゴミの動向

Environment: Trash trends p.891

ニューヨーク市は、排出されるゴミに関して過去一世紀にわたる詳細な記録を有している。この資料には、工業の進歩に伴う廃棄物の性質の変遷が明らかに示されている。

doi: 10.1038/419891a

神経生物学:みんなで食べれば怖くない

Neurobiology: Social eating for stress p.893

線虫Caenorhabditis elegansのなかには単独で餌をとるものもあれば、集団で食事をするものもある。こういう行動をもたらす神経生物学的な基盤が、今回分子レベルで明らかにされた。

doi: 10.1038/419893a

Article

神経:有害刺激を感知するニューロンが引き起こす線虫Caenorhabditis elegansの社会的摂食

Social feeding in Caenorhabditis elegans is induced by neurons that detect aversive stimuli p.899

doi: 10.1038/nature01169

Letters

物性:1個の水素分子のコンダクタンスの測定

Measurement of the conductance of a hydrogen molecule p.906

doi: 10.1038/nature01103

材料:無秩序な固溶体の局所構造と相転移の間の関係

Relationship between local structure and phase transitions of a disordered solid solution p.909

doi: 10.1038/nature01115

材料:ナノ構造金属における高引張延性

High tensile ductility in a nanostructured metal p.912

doi: 10.1038/nature01133

環境:土壌の炭素の安定性と交代に対する窒素の付加がもたらす様々な効果

Variable effects of nitrogen additions on the stability and turnover of soil carbon p.915

doi: 10.1038/nature01136

生態:北方林のタチハイゴケ層における窒素固定の定量

Quantifying nitrogen-fixation in feather moss carpets of boreal forests p.917

doi: 10.1038/nature01051

生態:ミツバチの巣はダンスによって適応度を上げる

Honeybee colonies achieve fitness through dancing p.920

doi: 10.1038/nature01127

生態:夜行性のスズメガにみられる暗所色覚

Scotopic colour vision in nocturnal hawkmoths p.922

doi: 10.1038/nature01065

生態:線虫Caenorhabditis elegansの社会的摂食は体液に接触するニューロン中の互いに拮抗する経路によって制御される

Antagonistic pathways in neurons exposed to body fluid regulate social feeding in Caenorhabditis elegans p.925

doi: 10.1038/nature01170

発生:マウスの神経形成において神経前駆細胞の維持にはnumbnumblikeが必要である

Progenitor cell maintenance requires numb and numblike during mouse neurogenesis p.929

doi: 10.1038/nature01124

発生:N-CoRは神経幹細胞のアストログリアへの分化を制御する

N-CoR controls differentiation of neural stem cells into astrocytes p.934

doi: 10.1038/nature01156

細胞:線虫での神経変性には、特異的なアスパルチルプロテアーゼとカルパインプロテアーゼが必要である

Specific aspartyl and calpain proteases are required for neurodegeneration in C. elegans p.939

doi: 10.1038/nature01108

免疫:免疫グロブリン遺伝子における体細胞超変異の誘導はDNAポリメラーゼ・イオタに依存している

Induction of somatic hypermutation in immunoglobulin genes is dependent on DNA polymerase iota p.944

doi: 10.1038/nature01117

生化学:PtdIns(4,5)P2による電位依存性カルシウムチャネルの二重の制御

Dual regulation of voltage-gated calcium channels by PtdIns(4,5)P2 p.947

doi: 10.1038/nature01118

遺伝:チアミン誘導体はmRNAに直接結合し細菌の遺伝子発現を制御する

Thiamine derivatives bind messenger RNAs directly to regulate bacterial gene expression p.952

doi: 10.1038/nature01145

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