Letter 生化学:PtdIns(4,5)P2による電位依存性カルシウムチャネルの二重の制御 2002年10月31日 Nature 419, 6910 doi: 10.1038/nature01118 電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)は膜の脱分極後にカルシウムを細胞内に流入させており、多様な生物学的現象に不可欠である。これらのチャネルは、機能間の関連性が高い、様々なシグナル伝達経路によって制御されている。パッチクランプ法の実験では、VGCCの活性は、全細胞系においても、膜の裏表が逆になっている系でも、時間経過と共に低下する。この活性の低下は、無傷細胞には継続的で固有のVGCC調節機構があることを反映している。現在までにL型チャネルの活性低下に関与する機構としては複数のものが報告されているが、他の型のVGCCの活性低下機構はほとんど分かっていなかった。本研究では、イオンチャネルや輸送体の重要な調節因子であるホスファチジルイノシトール‐4,5‐ビスリン酸(PtdIns(4,5)P2)が、P/Q型及びN型チャネル活性維持にきわめて重要であることを示す。(PtdIns(4,5)P2)の加水分解を引き起こす膜受容体の活性化によって、卵母細胞やニューロンではチャネルの阻害が起きる。また、(PtdIns(4,5)P2)はチャネル活性化の電位依存性を変化させチャネルを開きにくくすることにより、P/Q型チャネルを阻害する。この阻害はプロテインキナーゼAによるリン酸化によって緩和される。(PtdIns(4,5)P2)の2つの異なる作用と(PtdIns(4,5)P2)とプロテインキナーゼAとの間の相互作用(クロストーク)の作る動的な機構によって、VGCCの活性は様々な神経伝達物質やホルモン、栄養因子により細かく制御できるようになっている。 Full Text PDF 目次へ戻る