Letter 生態:ミツバチの巣はダンスによって適応度を上げる 2002年10月31日 Nature 419, 6910 doi: 10.1038/nature01127 ミツバチのダンス言語は、蜜採集個体が蜜源までの距離や方向についての情報を入れ込んで踊るもので、霊長類以外での象徴的コミュニケーションの典型的な例である。このダンス言語については議論が交わされており、またダンスに含まれる情報の抽出、解読、評価の仕組みそれぞれに関する研究は数多い。巣の蜜採集量は、ダンス言語によって増加するという仮説が出されているが、実証はされていない。本論文では、方向のわからない(方向情報が欠けている)ダンスを行う巣では、方向情報を含むダンスをする巣に比べて、蜜採集個体がシロップ給餌器まで効率よくたどり着かないことを示す。自然界の蜜源で蜜採集する巣では、方向に関する情報によって採集する蜜の量が増える場合もあるが、違いがない場合もある。ダンスに含まれる蜜の位置情報は、おそらく、蜜源が見つけにくかったり、蜜の質や量が変動しやすかったり、すぐになくなる蜜源だったりする場合に、重要となるのだろう。他の状況では、ミツバチやマルハナバチ、一部のハリナシミツバチで見られるような、蜜採集個体の喚起のみに基づく動員や花の匂いについてのコミュニケーションは、等しく効果的となりうる。ダンス言語の条件依存性の利得を明確にすることで、ミツバチの生態にダンスが果たす機能について新たなヒントが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る