The Nature Top Ten アクセスランキング
Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。
2025年7月17日 ~ 2025年8月16日
出生直後はin vivo造血幹細胞遺伝子治療の効果が高い
Nature 643 2025年7月24日
今回、マウスを使った研究により、複数のヒト造血系疾患に対するin vivo遺伝子治療は、標的となる造血幹細胞の遺伝子送達に対する許容度が特に高い出生後の早い時期に治療を行うと、その効果を高められることが示された。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09070-3
RNAがRNAだけで構築する巨大で複雑な複合体
Nature 643 2025年7月24日
今回、RNAだけからなる大型の複合体(GOLLD RNA、ROOL RNA、OLE RNA)の三次元構造が解明され、タンパク質が全く関与せずに形成される独特な四次構造が明らかになった。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09073-0
RNAポリメラーゼIIIのクライオ電子顕微鏡構造
Nature 643 2025年7月24日
今回、ヒトRNAポリメラーゼIIIについて、クライオ電子顕微鏡によって調べられた一連の構造が提示され、初期の開始状態から伸長状態へと構造が段階的に移行する様子が示された。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09093-w
1個の複合体がストレスとストレス応答の両方を監視して応答を終わらせる
Nature 643 2025年7月24日
E3リガーゼ複合体SIFIは、ストレス応答シグナル伝達を終結させて細胞の恒常性を回復させる役割を担っている。今回報告された研究では、約1.3 MDaのSIFI複合体のクライオ電子顕微鏡構造が決定され、その作用機構についての考察がもたらされた。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09074-z
さまざまな細胞内凝縮体の機能を調べる新しいツール
Nature 643 2025年7月24日
生体分子凝縮体の生物学的機能を研究する妨げになっているのが、生きた細胞内で凝縮体を選択的に調べるツールがないことである。今回、「キルスイッチ」と名付けられたこうしたツールが開発され、疾患を含めたさまざまな状況での使用法が報告されている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09141-5
固形腫瘍の軟髄膜転移におけるIFNγシグナル伝達のユニークな役割
Nature 643 2025年7月24日
今回、インターフェロンγ(IFNγ)シグナル伝達は、さまざまな免疫細胞集団を調整して軟髄膜転移を制御することが報告されている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09012-z
CAR-NK細胞活性を制御するチェックポイント分子
Nature 643 2025年7月24日
キメラ抗原受容体(CAR)ナチュラルキラー(NK)細胞(CAR-NK細胞)は、新たな免疫療法の魅力的な手法としての可能性がある。今回、NK細胞機能の重要な調節因子として転写因子であるCREM(cyclic AMP response element modulator)が見つかった。CREMの欠損は、CAR-NK細胞の腫瘍微小環境内でのCAR-NK細胞の効果や適応度を高める。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09087-8
遠くを眺めるだけで活動する場所細胞
Nature 643 2025年7月24日
今回H PayneとD Aronovは、海馬での場所の符号化は注視の符号化と統合されていて、動物が物理的にその地点に存在している場合にも、離れた場所からその地点に注意を向けている場合にも、動物にとって関連のある場所を表現していることが示唆された。
News & Views doi: 10.1038/10.1038/d41586-025-01716-6
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09101-z
数学の成績の男女差は早期に出現する
Nature 643 2025年7月24日
小学校入学時には数学の成績は男女同等だったにもかかわらず、小学1・2年生における数学の成績の男子優位の男女差は、入学4カ月間の学校教育の後に有意に広がることが、今回分かった。この男女差は社会人口統計学的な違いとは無関係で、年齢ではなく教育を受けた期間とともに拡大する。
News & Views doi: 10.1038/10.1038/d41586-025-01717-5
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09126-4
パンゲノムで明らかになった大麻の遺伝的多様性
Nature 643 2025年7月24日
今回、大麻(Cannabis sativa)の栽培系統、野生化系統、野生系統を含む多数の試料のゲノムデータからパンゲノムが構築され、この植物の高い遺伝的多様性や生合成経路の進化史が明らかにされている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-09065-0