The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

1

鉄系超伝導

Nature 601 2022年1月6日

数種の物質群において観測されている非従来型超伝導の背後にある機構は、10年以上にわたる取り組みにもかかわらず、依然として議論の的になっている。鉄系非従来型超伝導体は、複数の原子軌道が存在するために他の物質とは異なっており、これによって、同一の支配的な対形成機構を共有するギャップ構造の豊かな様相が生じている。こうした物質からは、超伝導の他にも、フント相互作用によって支配される異常金属状態、電子ネマチック性の制御と機構、磁気ゆらぎと量子臨界性の影響、相関状態におけるトポロジーの重要性に関する新しい知見が得られている。今回R Fernandesたちは、鉄系超伝導体の発見から13年にわたる進歩を概説し、この物質における相関相の理解に関連する未解決問題を考察している。

Review doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04073-2

2

これまでになく金属量の少ない恒星ストリーム

Nature 601 2022年1月6日

今回、破壊された球状星団に関して、金属量の下限値を下回る恒星ストリームが観測されたことが報告されている。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04162-2

3

反物質と相対論の関係を探る

Nature 601 2022年1月6日

今回M Borchertたちは、5 K以下に冷却したマルチペニングトラップに捕捉された陽子と反陽子の比電荷の高精度測定について報告している。これら2つの測定結果は一致しており、CPT(荷電共役変換–パリティ変換–時間反転)不変性の破れがないことが示された。このデータは1年半にわたって取得されたものなので、反物質について弱い等価原理を初めて検証したことにもなる。

News & Views doi: 10.1038/10.1038/d41586-021-03798-4

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04203-w

4

回転する量子気体を用いた量子ホール物理のシミュレーション

Nature 601 2022年1月6日

今回B Mukherjeeたちは、原子が磁場中の電子と同じ物理的影響を受ける、相互作用する極低温ボソンの回転気体を調べている。それらのボース・アインシュタイン凝縮体は最低ランダウ準位を占めており、著者たちは、原子間相互作用と気体密度を調整することで、渦列で隔てられて整列した原子液滴によって形成される結晶様状態を生じさせる、不安定領域への遷移を観察した。こうしたエキゾチックな物質状態の観測は、極低温回転気体によって量子ホール物理のシミュレーションが可能になり得ることを示唆している。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04170-2

5

太陽光と空気から燃料を作る

Nature 601 2022年1月6日

今回、大気から水とCO2を回収し、太陽熱エネルギーを用いてそれらを分解した後、化学品を合成することによって、太陽光と大気から燃料を生産できる可能性があることが示されている。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04174-y

6

660 km不連続面の相転移による沈降

Nature 601 2022年1月6日

今回、アキモトアイト–ブリッジマナイト相転移によって地球の温度の低い沈み込み帯における660 km不連続面の沈降が生じ、スラブの滞留をもたらすことが示されている。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04157-z

7

水銀の放出をやめれば魚はすぐにきれいになる

Nature 601 2022年1月6日

P Blanchfieldたちは今回、ある北方湖とその流域で水銀の投入実験を行い、水銀の投入を停止すると、魚類体内のメチル水銀濃度がわずかな年数で急速に低下することを明らかにしている。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04222-7

8

地球の軌道変動の植物プランクトンの進化への影響

Nature 601 2022年1月6日

円石藻類などの石灰質植物プランクトンは、環境条件の長期的変化に敏感なことが知られている。今回L Beaufortたちは、円石藻類のサイズが、約10万年と約40万5000年という地球の軌道離心率の周期的変化と相関していることを示している。AIを用いた膨大な量のデータの解析により、円石藻類進化の変化の原動力に関して存在した多くの混乱が解消された。地球システムにおける円石藻類の重要性を踏まえると、この研究は、熱帯の季節性の過去の変化や炭素循環全般に関する理解を深める上で重要なものと考えられる。

News & Views doi: 10.1038/10.1038/d41586-021-03549-5

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04195-7

9

slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出

Nature 601 2022年1月6日

腫瘍など、組織内の遺伝的な不均一性は、バルク組織の高深度塩基配列解読、あるいはレーザーマイクロダイセクション法による腫瘍組織の単離後に複数クローンの塩基配列解読を行うことによって検出可能である。しかし、前者では空間情報が失われてしまい、後者では観察可能な比較的大きいクローン構造が必要になる。J Buenrostroたちは今回、組織構造を無傷に保ったまま、空間分解されたDNAの塩基配列解読を可能にする方法であるslide-DNA-seq(以前開発したslide-RNA-seq法を基盤とする)を開発した。この方法を用いると、染色体異常に基づいて、組織内のクローンを直接特定できる。著者たちはさらに、slide-DNA-seq法を大腸がんに適用し、他のデータセットと統合することで、染色体異常によって引き起こされる転写プログラムと、腫瘍細胞密度によって引き起こされる転写プログラムを分解できることを示している。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04217-4

10

脳内での座標変換

Nature 601 2022年1月6日

昆虫には非常に優れたナビゲーションシステムが備わっている。ヒトを含め、ナビゲーションを行うあらゆる動物の脳は、運動と感覚の情報を外界中心座標に変換するという課題を解決しなければならない。例えば、部屋の中を歩き回っているとき、脳は自身の動きについての情報を受け取り、それに基づいて部屋の中での自身の位置の推定を更新している。しかし、このような座標変換がどのように行われるのかは分かっていない。ショウジョウバエ(Drosophila)の中枢神経系は、比較的単純で、その神経系の個々の要素を調べるために精密なツールが利用できることから、こうした課題を調べる上で理想的な系である。G Maimonたちの研究グループとR Wilsonたちの研究グループは今回、ショウジョウバエでこのような座標変換を行う神経回路を明らかにしている。

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04067-0

Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-021-04191-x

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