The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2018年5月20日 ~ 2018年6月19日

  • 陸域の貯水量の定量化

    Nature 557 (2018年5月31日)

    陸域の貯水量の変化傾向の理解は、人類や生態系の持続可能性を維持するのに極めて重要である。今回M Rodellたちは、重力測定衛星GRACEによって得られた2002~2016年の陸域の貯水量の記録を分析している。その結果、貯水量が著しく増加している地域と減少している地域が明らかになった。中には、こうした地域が隣接していることもあった。主な結論の1つは、いずれの地域における変化も、自然な気候変動と人間の活動を合わせた統合的な影響を反映していることであり、これは各国内および各国間で水の管理に共同して取り組む必要があることを示している。

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    Analysis

    doi: 10.1038/s41586-018-0123-1 | 全文  | PDF

  • フォトニックシミュレーションによる分子ダイナミクス研究

    Nature 557 (2018年5月31日)

    量子シミュレーターは、物理学、材料科学、化学における複雑な問題を調べる強力な手段になる見込みがある。今回A Laingたちは、集積フォトニクスが、分子の量子ダイナミクスのシミュレーションに役立つプラットフォームをもたらすことを示している。著者たちは、6つの振動自由度を持つ数種の4原子分子の量子力学的時間発展のシミュレーションを検討し、調和近似において振動モード間のエネルギー移動などの過程や熱緩和を調べている。また、液体水における非調和効果も調べ、アンモニアの特定の解離経路を増強する量子状態を特定するよう設計されたフィードバック制御アルゴリズムを試験している。これらの問題は、いずれも現在の古典的コンピューターにとって難題ではないが、得られた知見から、この分野における量子技術の可能性が再確認された。今回の方法をより複雑なハミルトニアン(非調和性の高い原子ポテンシャルなど)やより大きい電子自由度数に拡張することが、今後の研究方向として重要である。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-018-0152-9 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05245-3 | 全文  | PDF

  • ニューロンのバランスを取る

    Nature 557 (2018年5月31日)

    皮質回路が特定の比率の興奮性ニューロンと抑制性ニューロンで構成されていることは広く知られているが、このバランスがどのような機構で達成されるのかは、あまり分かっていない。今回、O Marínたちは、脳発達中のある時間枠における介在ニューロンへの興奮性入力が、それらの介在ニューロンが生存するかどうかを決め、また、この興奮性入力により介在ニューロンの生存が予測できることを明らかにした。入力の増加は、PTENシグナル伝達と負に相関しており、介在ニューロンを細胞死から守る。従って、回路における興奮と抑制のバランスは、活動依存的な機構によって決められている可能性がある。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-018-0139-6 | 全文  | PDF

  • 原核生物が隠し持つユビキチン化の仕組み

    Nature 557 (2018年5月31日)

    ユビキチンは、E1、E2およびE3という酵素が触媒する一連の反応を経て細胞内の他のタンパク質に結合し、その安定性や活性を変化させる。原核生物はユビキチンを持たないが、病原菌にはタンパク質のユビキチン化に影響を及ぼすことができる酵素が複数存在する。例えばレジオネラ菌は、感染の際にSdeAというエフェクターを産生し、これが単独で、宿主のユビキチン化装置とは無関係に基質タンパク質をユビキチン化する。その代わり、このエフェクターには触媒プラットフォームが2つ、すなわち、ユビキチンのADPリボシル化を触媒するモノADPリボシルトランスフェラーゼ(mART)ドメインとホスホリボシル化されたユビキチンの基質タンパク質への連結を触媒するホスホジエステラーゼ(PDE)ドメインがあると考えられている。今回、3つの研究チームがそれぞれ別個に、SdeAが実行するユビキチン化の分子機構に関する手掛かりを明らかにしている。これらの知見によって、この珍しい様式のユビキチン化の細菌感染での役割や、原核生物以外でおそらく果たしている役割について、今後の研究の道が開けるだろう。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-018-0146-7 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0147-6 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0145-8 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05250-6 | 全文  | PDF

  • 大質量星内で促進される炭素燃焼

    Nature 557 (2018年5月31日)

    炭素燃焼は、大質量星の内部や質量降着を伴う中性子星表面で起こる重要な物理過程であるが、その核融合反応率は、これに関連する温度領域では技術的に難しいため測定されていない。恒星モデルで使われる反応率は、もっと高い温度から外挿されたものであり、共鳴が存在する可能性を無視している。今回A Tuminoたちは、天体物理学的に有意義な温度域での反応率を測定した。そして、温度5億Kで反応率が25倍に増大することを見いだしている。これによって、炭素燃焼が大質量星内部で始まる温度や密度が下がり、質量降着を伴う中性子星表面でのスーパーバースト点火の深さが浅くなる可能性がある。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0149-4 | 全文  | PDF

  • グラフェンナノリボンの磁性

    Nature 557 (2018年5月31日)

    単層の炭素原子からなるグラフェンは、電気特性、光学特性、機械特性が極めて優れているため、しばしば「ワンダーマテリアル」と呼ばれている。さらに、理論予測からは、興味深い磁気的振る舞いを示す可能性も示唆されている。しかし、エッジの原子制御が必要で、磁性を示すはずであると提案された終端の多くは化学的に不安定であるため、磁気的振る舞いを実験的に実現することはこれまで困難だった。今回L Boganiたちは、溶液を用いたボトムアップ分子合成法によって、スピンを有する安定したラジカルで官能基化した非局在化磁性エッジ状態を持つグラフェンナノリボンを実証している。著者たちは、この磁性グラフェンナノリボンのスピン状態を、室温でコヒーレントに操作し、スピントロニクスや量子計算への応用の可能性を開いている。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0154-7 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05240-8 | 全文  | PDF

  • 界面におけるイオン輸送

    Nature 557 (2018年5月31日)

    表面や界面におけるイオン輸送は、制限された形状の影響が加わるとともに表面との相互作用の寄与があるため、バルク中よりも複雑になる。間接的手法によって表面拡散の情報が得られるが、個々のイオンを観察するだけの十分な解像度は得られていない。今回Y Jiangたちは、走査型トンネル顕微鏡法と非接触原子間力顕微鏡法を用いて個々の水分子とナトリウムイオンを表面で操作して、ナトリウムイオンに1~5個の水分子が配位した5種類のナトリウム水和物を構築し、直接観察している。著者たちは、水分子を3個持つ水和物が他の水和物よりも数桁速い速度で塩化ナトリウム表面上を拡散し、この速い拡散速度が三水和物と表面との対称性の不整合に起因することを見いだしている。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0122-2 | 全文  | PDF

  • Notch–コラーゲンV–カルシトニン受容体シグナル伝達が幹細胞の静止状態を維持する

    Nature 557 (2018年5月31日)

    筋幹細胞である衛星細胞は、筋と直接接触する特定の場所に限定して存在するが、このようなニッチに衛星細胞が保持される仕組みは分かっていない。今回P MourikisとS Tajbakhshの研究チームは、マウスで、衛星細胞が産生するコラーゲンが、カルシトニン受容体との相互作用を介して、衛星細胞の静止状態の維持に関与するNotchシグナル伝達経路を細胞自律的に調節し、さらにNotchがコラーゲンの発現を調節することを示している。コラーゲンに変異を持つマウスでは、カルシトニンの送達により、コラーゲンを必要としなくなり、筋幹細胞の静止状態や自己複製の異常が救済された。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0144-9 | 全文  | PDF

  • ミクログリアによるアストロサイト機能の制御機構

    Nature 557 (2018年5月31日)

    中枢神経系における炎症環境は、ニューロンとグリア細胞集団間での複雑な相互作用により決定される。F Quintanaたちは今回、多発性硬化症(MS)の実験的な自己免疫脳炎マウスモデルにおいて、ミクログリアがアストロサイトの機能を正と負に調節する機構について調べ、ヒトMSでも対応する分子により同様の機構が働いていることの裏付けを得た。食物中のトリプトファン代謝産物によって、アリール炭化水素受容体を介してミクログリアが活性化され、アストロサイトの転写プログラムと中枢神経系の炎症が調節されることが分かった。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0119-x | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05113-0 | 全文  | PDF

  • ADNPは調節複合体を形成して遺伝子発現を抑制する

    Nature 557 (2018年5月31日)

    ADNP(activity-dependent neuroprotective protein)は胚の発生に不可欠な転写因子だと考えられており、ADNP遺伝子の変異は、神経発達障害であるHelsmoortel–Van der Aa症候群の原因となる。今回M Bühlerたちは、ADNPがクロマチンリモデリング因子CHD4やヘテロクロマチンタンパク質HP1と相互作用して複合体ChAHPを形成し、ヒストンH3リシン9のトリメチル化(H3K9me3)修飾とは独立に遺伝子発現を抑制することを明らかにしている。ChAHPは、神経外胚葉の分化中に内胚葉遺伝子の転写を抑制して、細胞系譜の正しい指定を保証する。Helsmoortel–Van der Aa症候群の患者で見つかった変異は、このChAHP複合体の完全性を破壊する。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0153-8 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-05188-9 | 全文  | PDF

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