Letter

生態:北方林のタチハイゴケ層における窒素固定の定量

Nature 419, 6910 doi: 10.1038/nature01051

生物による窒素(N)固定は自然生態系における窒素の主要供給源であるが、北方林の窒素源は不明である。ユーラシア大陸と北米大陸の北方林には、広く生息する重要な共生性窒素固定植物は存在しない。一次遷移の初期林に散在するハンノキ林分を除いて、北方林の窒素固定は極めて限られたものと考えられている。北欧の北方林における窒素固定はわずか0.5 kg N ha-1yr-1と推定されているが、しかし同生態系の有機窒素は3 kg N ha-1yr-1の割合で蓄積している。北方林の窒素源に関する現在の限られた理解は、北方林地帯の規模を考えると許容できないが、窒素固定に関する知見が未だ不完全であることを考えれば予想可能である。本論文では、シアノバクテリアの一種(Nostocsp.)と、遍在性のタチハイゴケ(Pleurozium schreberi (Bird) Mitt.)との窒素固定の共生関係が単独で、スカンジナビア北部およびフィンランドの遷移中期〜後期林で1.5〜2.0 kg N ha-1yr-1を固定していることを報告する。以前の研究では、北方林の窒素固定能力は過小評価されていたと考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度