Letter 遺伝:チアミン誘導体はmRNAに直接結合し細菌の遺伝子発現を制御する 2002年10月31日 Nature 419, 6910 doi: 10.1038/nature01145 生物学が、その構造、また酵素や受容体といった機能的要素に関して要求するもののほとんどはタンパク質によって行われているが、RNAもまたこれらの役割の一端を担っている。例えばRNAは高い構造的可塑性を有しており、かなりの酵素活性と結合特異性を持つリボザイムや受容体構成要素を形成することができる。さらに、これらの活性を組み合わすことで、エフェクター分子による調節を受けるアロステリック・リボザイムを作り上げることもできる。ある種のmRNAは、特異的な代謝産物に依存した制御反応を伝えるのにアロステリック機構を利用する可能性があると考えられてきた。本研究では、大腸菌におけるチアミン(ビタミンB1)生合成に関係した酵素をコードするmRNAが、チアミンまたはチアミンのピロリン酸誘導体と結合し、反応にタンパク質の補因子を必要としないことを報告する。mRNA‐エフェクター複合体はリボゾーム結合部位を封鎖するような構造をとり、遺伝子発現を低下させる。この代謝産物の感知による制御システムは、進化上でタンパク質の出現に先立って現れたかもしれない「リボスイッチ」の一例である。 Full Text PDF 目次へ戻る