【進化】二足歩行の起源解明へ大きな一歩
Nature Communications
2013年12月4日
Evolution: One giant step for bipedalism
最古の初期人類の1つであるOrrorin tugenensisの大腿骨の形状が、絶滅した類人猿とその他の初期ヒト族の中間的なものであることが判明した。今回、Sergio Almecijaたちは、O. tugenensisの特徴が、中新世の類人猿と初期ヒト族の特徴の独特な組み合わせになっていることを明らかにしたが、このことは、O. tugenensisが初めて二足歩行した種の1つだったとする学説とも一致している。したがって、この新知見は、ヒトの二足歩行の起源の解明にとって重要な意味を持つ可能性がある。
最初期のヒト族は原始的な二足歩行動物であり、約600万年前にアフリカの中新世類人猿から進化したことが、化石記録に示されている。ヒトと現生大型類人猿は、長い間、異なる進化経路をたどってきたため、現生類人猿と人類の最終共通祖先の姿が分かっていない。この点に関して、Almecijaたちは、木登りをしていたが直立歩行もしていた可能性のあるO. tugenensisが手掛かりをもたらす可能性があるという考え方を示している。今回の研究では、3D幾何学的形態測定解析が行われ、現生大型類人猿とヒト、そして、中新世類人猿と初期ヒト族(O. tugenensisを含む)の化石について、大腿骨の形状の違いの比較が行われた。その結果、現生人類と現生大型類人猿の大腿骨が、一部の類人猿化石のもっと原始的な形状から異なる方向へ進化し、O. tugenensisには中新世類人猿と初期ヒト族の特徴が混ざり合っていることが明らかになった。
doi: 10.1038/ncomms3888
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