注目の論文
腫瘍の代謝プロフィールを見る
Nature Medicine
2013年7月8日
Viewing the metabolic profile of a tumor
非放射性グルコース分子の腫瘍への取り込みを検出できる非侵襲的手法が、がんのタイプの診断や治療に対する患者の反応の評価に役立つかもしれない。
腫瘍は、細胞増殖に必要なエネルギーや合成材料を生産するために、正常な組織に比べ、多量のグルコースを取り込む必要がある。Simon Walker-Samuelたちが利用した手法は、glucoCEST(グルコース化学交換依存型飽和移転)と呼ばれ、従来の代表的手法や低酸素症などの腫瘍代謝のマーカーに比べて、非常に高感度で腫瘍のグルコース取り込みが測定できる。著者たちはglucoCESTを利用して、悪性度に違いのあるさまざまな結腸直腸がんのタイプを同定した。この手法は放射性物質を用いる他の手法と同程度に有効なことが証明され、非標識グルコースが利用できることから、従来法に代わる臨床施設向きの安価で使いやすい方法になるかもしれない。またこの手法では高い解像度が得られるため、治療過程で薬剤応答性に影響する可能性のある腫瘍内の細胞の変化をとらえたり、これまでより小さい腫瘍を診断したりできるかもしれないと、著者たちは考えている。
doi: 10.1038/nm.3252
注目の論文
-
4月25日
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
4月24日
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour