注目の論文
優れた抗がん剤の開発
Nature Chemical Biology
2013年4月22日
Building better anticancer drugs
生存促進性タンパク質BCL-XLに対する強力で選択的な低分子阻害剤が、今週のオンライン版で発表される。この研究成果は、BCL-XL特異的な抗がん剤の開発の可能性を提起するものである。
BCL-XLは、がん細胞の生存を支えるタンパク質のファミリーに属し、腫瘍内で過剰に発現している場合が多い。そのタンパク質ファミリーは低分子による攻撃が困難であるため、臨床開発まで進んだ化合物は少数に限られる。現在のところ、特定のファミリータンパク質に選択的な低分子は皆無であるが、それが実現されれば、その種の薬物の有害な毒性の回避に寄与すると考えられる。
今回Guillaume Lesseneたちは、BCL-XLの選択的で強力な阻害剤を作製した。研究チームはさらに、その物質「WEHI-539」が細胞内でも効力、選択性の双方を維持することを確認し、それが標的に作用することによって細胞死を促進することを示した。WEHI-539は、BCL-XLとがん細胞の生存との関係の解明を進展させるのに有用な価値あるツールであり、BCL-XLに特異的な抗がん剤の開発への扉を開くものである。
doi: 10.1038/nchembio.1246
注目の論文
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
8月7日
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature
-
8月7日
生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれないNature