注目の論文
胎盤を標的とするRNA干渉
Nature Biotechnology
2018年11月20日
RNA interference targets the placenta
病気の原因遺伝子をサイレンシングするという新しい臨床戦略であるRNA干渉法を使って、マウスとヒヒにおいて、妊娠高血圧腎症(子癇前症)を引き起こす原因遺伝子の胎盤での発現を減少させたことを報告する論文が、今週掲載される。動物実験で有効性と安全性をさらに調べる必要はあるが、その後、妊娠高血圧腎症の妊婦での臨床試験へと進められる可能性がある。
妊娠高血圧腎症は、妊婦の5~10%に見られる高血圧症で、胎盤で作られ血中に分泌されるタンパク質sFLT1の血中濃度が異常に高くなるために生じる。sFLT1は妊娠高血圧腎症の有望な治療標的であり、その活性を下げる方法がいくつか検討されている。
Anastasia Khvorovaたちは、低分子干渉RNA(siRNA)を静脈注射や皮下注射によって胎盤に送達し、sFlt1の合成を阻害した。この処置により、妊娠中のマウスと妊娠高血圧腎症のヒヒモデルで血中のsFlt1濃度が低下した。今回の方法は、これまでの研究とは対照的に、1回の注射だけで、生産場所である胎盤においてsFlt1を抑制した。これまでsiRNA療法の開発は主に肝臓に的を絞って行われてきたが、胎盤を標的にできることで、治療に新たな道が開けるかもしれない。
doi: 10.1038/nbt.4297
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