注目の論文
そよ風で移動するマイクロプラスチック
Nature Geoscience
2019年4月16日
Microplastics travel on the breeze
マイクロプラスチックは大気中を移動し、元の放出源から遠く離れた地域にまで到達し得ることを報告する論文が、今週掲載される。
マイクロプラスチックは非常に小さなプラスチックごみの欠片で、川や海洋、「手つかずの」極域でも見つかっている。これまでの研究では、マイクロプラスチックは川に沿って長い距離を移動して海洋に到達し、その途中で水生生態系に影響を及ぼしていることが示唆されてきた。しかし、マイクロプラスチックによる汚染が大気中を移動できるかについては、情報がなかった。
Deonie Allenたちは今回、フランス・ピレネー地域の人里離れた山間地の集水域を5か月にわたり調査した。5回の試料収集期間に大気中の乾燥した堆積物と湿った堆積物を収集したところ、プラスチック片、フィルム、繊維片などの大量のマイクロプラスチックが見つかった。Allenたちは、マイクロプラスチックの1日の堆積速度は1平方メートル当たり365個と測定している。
またAllenたちは、大気シミュレーションを用いて、マイクロプラスチックが少なくとも100キロメートル離れたところから大気中を輸送されたことを示した。
この研究から、大気輸送は、マイクロプラスチックが汚染されていない地域に到達して影響を及ぼす上で重要な輸送路となっていることが示唆される。
doi: 10.1038/s41561-019-0335-5
注目の論文
-
10月15日
惑星科学:火星における氷と炎の物語Nature Communications
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment
-
9月25日
生態学:米国河川における魚類の生物多様性の変化Nature