注目の論文
【天文学】地球に最も近いところで比較的最近生じた超新星
Nature
2016年4月7日
Astronomy: Closest relatively recent supernovae discovered
過去数百万年間に生じた超新星の中で最も地球に近いものの位置と時期について記述された論文が、今週掲載される。今回の研究では、超新星が爆発する時に生成される特定の鉄同位体(60Fe)が地球の深海部地殻へ輸送される過程がモデル化され、星形成と近傍の星の環境に関する手掛かりが得られた。
地球の深海部地殻に60Feが存在しているということは、約220万年前に太陽の近傍で1個以上の超新星が爆発したことを示唆しており、最近の分析によれば、太陽からの距離は60~130パーセク(196~424光年)とされる。
今回、Dieter Breitschwerdtたちは、この超新星爆発の時期と位置を明らかにするために、超新星になった大質量星について、最も蓋然性の高い軌道と質量を計算し、地球の深海部地殻における60Feシグナルが、太陽から90~100パーセクの距離にある2つの超新星から生じたと報告している。そして、地球に最も近い超新星の質量は太陽の9.2倍で、230万年前に生成し、2番目に近い超新星は、質量が太陽の8.8倍で、約150万年前に生成したことが明らかになった。
doi: 10.1038/nature17424
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature