注目の論文
動いている代謝
Nature Chemical Biology
2009年6月29日
Metabolism in motion
細胞内の酵素反応に関する定量的で網羅的な研究の成果が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。その知見は、細胞が周囲の環境とどのように相互作用し、自己の代謝をどのように制御しているのかという、もっと具体的な疑問を追究するための基礎となるものである。
細胞の代謝には、タンパク質生産や細胞膜形成、そのほか多数の生体プロセスに利用される低分子、すなわち代謝物の生成と消費が含まれる。そのような生体プロセスのための反応は、酵素が進行させている。
代謝物は、さまざまな分子の相対濃度(別の物質と比較したときの量)を測定して分析される場合が多い。J Rabinowitzたちは、複数のメタボローム分析ツールを利用し、細胞内の物質そのものの量である「絶対濃度」を、ほかの分子とは無関係に測定した。その濃度を既知の酵素パラメーターのデータベースと照合することにより、反応で定常的に利用されている細胞分子がどれで、細胞が活発に成長しているかどうか、攻撃を受けているかどうかなど、ほかの要因に応答して利用されていると考えられる細胞分子がどれであるかが明らかにされた。
doi: 10.1038/nchembio.186
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