注目の論文
二兎を追う
Nature Chemical Biology
2008年10月13日
Seeking promiscuity
複数の酵素を同時に阻害する低分子を設計する研究の成果が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。細胞増殖に関与する複数の経路を標的とする化合物が同定可能となることで、選択性の高いがん治療法が得られる可能性がある。
かつて、新薬を探索する研究では、細胞内の一タンパク質の作用を選択的に遮断する低分子が追求されていた。しかし、標的タンパク質の選択性が高いと考えられていた効果的な薬物の一部は、実際には別のタンパク質とも相互作用することによって機能していることが、最近の研究で明らかにされた。
K Shokatたちは、この方式を利用し、チロシンキナーゼおよび脂質キナーゼという2種類の酵素を阻害することによって、がん細胞の増殖に干渉する分子「PP121」を同定した。この発見は、治療薬開発のためのリード化合物をもたらす一方、新たな多重標的阻害剤の発見を支援する設計原理を示すものでもある。
doi: 10.1038/nchembio.117
注目の論文
-
4月4日
化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れNature
-
3月27日
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications
-
3月22日
化学:ちょっと立ち止まって体臭の化学組成の違いを調べてみたCommunications Chemistry
-
2月28日
持続可能性:もっと環境に優しい方法でデニムを青く染めるNature Communications
-
1月24日
化学:複数の自律型実験室をつないで国際的な共同研究を進めるNature Communications
-
11月30日
天文学:新たに発見された6惑星系Nature