注目の論文

化学:おいしいコーヒーを見極めるための迅速なテスト

Nature Communications

2026年4月29日

Chemistry: Brewing up a quick test for great coffee

Nature Communications

ブラックコーヒーの濃度と焙煎度を測定する迅速かつ簡単な試験法を報告する論文が、オープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載される。この手法は、複雑な試料調製を必要とせずに、コーヒーの風味特性を迅速かつ確実に評価する方法となるもしれない。

コーヒーを評価する従来の方法は、通常、テイスティングパネルや、サンプル中の溶解物質の量を推定するといった間接的な測定に依存している。しかし、これらの方法では、焙煎度や抽出方法の違いによって生じる化学的な差異を区別することはできない。ほかの実験室の技術では、個々の分子を特定できるものの、これらは時間や費用がかかるため、日常的な利用には適さない場合が多い。

Christopher Hendonら(オレゴン大学〔米国〕)は、サイクリックボルタンメトリー(cyclic voltammetry)と呼ばれる電気化学的な試験を用いて、ブラックコーヒーの濃度を迅速に評価する方法を報告している。この試験では、電圧を印加し、コーヒーが電界に反応して流れる電流を測定することで、濃さや焙煎度の違いを区別することができる。著者らは、飲料の濃度と測定される総電荷量との間に線形の関係があることを観察した。また、サンプルの焙煎度が深くなるにつれて、これらの信号は弱まる傾向を示した。この信号の弱まりは、カフェインを含む焙煎に依存する分子が、測定中に白金電極に付着することによるものとされている。この手法は、英国の焙煎所における品質管理プロセスで用いられている色調や風味の評価結果との比較をつうじて検証された。著者らは、この試験が、見た目は同じで溶解固形分値も類似しているが、風味が異なる淹れ分けたコーヒーを区別するのに役立つ可能性を示唆している。

これらの結果は、この試験がコーヒーの組成を評価するための高感度かつ信頼性の高い手法となり得ることを示唆しており、業界で用いられている既存のツールを補完するものになると期待される。

Bumbaugh, R.E., Pennington, D.L., Wehn, L.C. et al. Direct electrochemical appraisal of black coffee quality using cyclic voltammetry. Nat Commun 17, 3618 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-026-71526-5
 

doi: 10.1038/s41467-026-71526-5

英語の原文

注目の論文

「注目の論文」一覧へ戻る

Nature Japanとつながろう:

advertisement
プライバシーマーク制度