Nature

Cover Story: 濡れても剝がれない接着剤:AI支援による設計で生み出された、湿潤環境にも対応する超粘着材料

Nature 644, 8075 (2025年8月7日)

湿潤環境でも効果を維持する接着剤を設計することは、人工知能を用いる手法さえも困惑させかねない困難な課題である。今週号ではJ Gongたちが、自然界から着想を得て、接着タンパク質のアミノ酸配列を分析するデータ駆動型システムを開発し、その後、AIを活用して水に耐える超接着材料を作り出したことを報告している。研究チームは、2万4707種類の天然接着タンパク質のデータセットを調べて、180種類のハイドロゲルの設計を導き出した。彼らはさらに、反復的な機械学習フレームワークを用いて接着性能を最適化し、有望な超接着性ハイドロゲル群を突き止めた。そのうちの1つ、R1-maxと名付けられたハイドロゲルを合成して、表紙の画像のように海岸の岩にラバーダックを接着する試験を行い検証したところ、波や潮汐に容易に耐えることが確認された。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

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