Nature

Cover Story: 空間状況の把握:AIを活用した免疫細胞分布プロファイリングで肝臓がん再発リスクが明らかに

Nature 640, 8060 (2025年4月24日)

腫瘍微小環境を構成する細胞と血管の複雑な生態系は、腫瘍の形成、増殖、治療への反応に大きな影響を与える。免疫細胞の分布や位置といった微小環境の特徴を用いることで、疾患転帰を予測できる可能性がある。今回C Sunたちは、こうした情報を利用して肝細胞がんの術後の再発を人工知能(AI)で予測する、画像ベースのスコアリング手法を開発している。著者たちは、肝臓がんの中で最も一般的なタイプで再発率の高い、肝細胞がんに着目した。その結果、ナチュラルキラー細胞と呼ばれる免疫細胞の空間分布とそれらが発現する5つの遺伝子が良好な術後転帰と関連することが見いだされた。これによって研究チームは、微小環境のどこでこれらの遺伝子が発現しているかに基づいて肝がんの再発を予測できる、AIを用いた空間プロファイリングシステム「腫瘍免疫微小環境空間(TIMES)スコア」を生み出すことができた。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

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ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

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