Nature

Cover Story: 炭素の流れ:放射性炭素のアーカイブから河川が古代の炭素を大気中に放出していることが明らかに

Nature 642, 8066 (2025年6月5日)

河川は、主要な炭素供給源であり、表流水から二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)を大気中に放出している。これまで、こうした炭素の大部分は最近のバイオマス生産(過去70年ほどの間に分解されて河川系に流入した有機物)によるものと考えられてきた。しかし今回、J Deanたちは、河川から放出される炭素の約60%が、数百年から何千年、あるいはそれ以上前の古い炭素であることを明らかにしている。研究チームは、新規および既報の河川中の放射性炭素(14C)に関する測定結果をまとめ、世界各地の700近い河川流域を網羅するデータベースを構築した。彼らは、河川試料中の14C濃度を現在の大気中CO2の標準値と比較することで、河川炭素の年代を測定できた。今回の発見は、河川から古代の炭素がゆっくりと継続的に放出されていることを示唆しており、土地利用の変化によってその挙動がどう変わるかという新たな疑問を投げ掛けるものである。

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Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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