Nature

Cover Story: 炎の中で作り出される:原始星の周囲の凝縮する鉱物が太陽系の形成初期の状況に光を当てる

Nature 643, 8072 (2025年7月17日)

太陽系の地球型惑星は、星間固体物質と、若い太陽の周囲を取り巻く高温ガスが冷却された際に凝結した岩石質の固体の混合物から形成されたと考えられている。鉱物が高温ガスから凝縮し始める瞬間こそ、惑星形成の時計が動き出す瞬間である。今週号ではM McClureたちが、オリオンB分子雲中の原始星HOPS-315におけるこの惑星形成の開始時刻を捉えた天文学的観測結果について報告している。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)によって捉えられた観測結果は、原始星付近の星間固体粒子が、一酸化ケイ素および一酸化炭素からなる細いジェットの根元で燃え尽きた後、結晶性鉱物として再凝縮することを示唆している。表紙の画像は、ALMAによるHOPS-315の一酸化炭素地図を基に描いた惑星形成瞬間の想像図である。HOPS-315の環境が太陽系と類似していることから、この原始星は、身近な場所で惑星がどのように形成されたかを調べるための優れたモデルとなるかもしれない。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

研究者の皆様

Nature 購読者の皆様への情報、また、Nature に論文投稿をお考えの方、すでに Nature に論文が掲載された著者の皆様に、リプリントサービスや購読特典をご紹介いたします。

著者の皆様へ
投稿サイト

プライバシーマーク制度