Nature ハイライト

構造生物学: 細菌トランスロコンの新規な構造

Nature 564, 7734

9型分泌装置(T9SS)は、フィブロバクター門–緑色細菌門–バクテロイデス門からなる上門に属するグラム陰性細菌の主要なタンパク質搬出経路であり、細菌が重篤な歯周病を引き起こすのに必須である。T9SSの構造は他の細菌分泌装置とは関連性がなく、その詳しい性質はこれまでほとんど調べられていない。今回、SprAタンパク質がT9SSの補助的な構成要素と結合した2種類の複合体のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造が報告され、SprAタンパク質がT9SSのトランスロコンであることが明らかになった。SprAは、1本の大きなポリペプチド鎖からなり膜を貫通するβバレルを形成しており、この構造は細菌の分泌装置の中では異例である。このようなトランスロコンは、もっと小さなタンパク質が複数個集まって形成されていることが多い。バレルの小孔の細胞外末端は覆われているが、膜外表面への出口が側面に開いていて、複数のパートナータンパク質が小孔と側方の開口部の両方へのアクセスを制御している。この構造、それに輸送のための相互アクセス機構の両方が、細菌のトランスロコンとしては前例のないものである。今回、性質の詳細が明らかにされたことは、T9SSの機能の解明を進め、T9SSを標的とする化合物の探索へとつながる道を開くだろう。

Article p.77
doi: 10.1038/s41586-018-0693-y | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年12月6日号の Nature ハイライト

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