Nature ハイライト

神経科学: 運動で生じる音を抑える仕組み

Nature 561, 7723

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Credit: Maksym Shynkarenko / EyeEm / Getty Images

発声や歩行など、自分自身の運動によって音が生じるが、運動に関連した信号が聴覚系の多くのレベルで活動抑制をかけることが一因となって、自分の立てる音が正常な聴覚を妨害することはない。今回R Mooneyたちは、より恣意的で柔軟な音響挙動によって引き起こされる聴覚活動の抑制を学習する神経回路を探求した。彼らが開発した音響バーチャルリアリティー(aVR)システム中で、マウスは自身の移動運動と特定の音を関連付けることを学習した。in vivo電気生理学的方法と二光子画像化法を用いることで、aVRの経験により徐々に特定の周波数への聴覚皮質応答の選択的抑制が起こるようになることが分かった。この抑制は、運動中にのみ起こり、聴覚視床では見られず、聴覚皮質の可塑性の運動依存的な1つの形と一致する。この可塑性は行動的適応性を持ち、それはこの訓練を受けたマウスが、運動中に再求心性音以外の音を感知する能力を高めていたことから分かる。これらの知見から、聴覚皮質は、運動によって生じる予測可能な音を選択的に抑制するよう、経験によって形成されると考えられる。

Letter p.391
doi: 10.1038/s41586-018-0520-5 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年9月20日号の Nature ハイライト

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