Nature ハイライト

医学研究:ケトン食療法がある種の抗がん剤への応答を改善する可能性

Nature 560, 7719

PI3Kの変異は、がんのドライバー変異であることがよく知られており、これを標的にした阻害剤が複数開発されている。PI3Kはグルコース代謝のマスター調節因子であるため、その阻害は高血糖や代償性のインスリン上昇につながることが知られている。今回、治療中の腫瘍でグルコース–インスリンフィードバックがPI3Kシグナル伝達を再活性化し、抗がん剤の効果を弱める可能性があることが明らかにされた。この標的化治療が引き起こすインスリンフィードバックを薬理学的方法あるいは食餌によって防ぐと、治療の有効性が高まることが分かった。この結果は、標的化治療と食餌療法の組み合わせをうまく活用すれば、治療への応答が改善する可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度