Nature ハイライト

構造生物学: Orcoのクライオ電子顕微鏡構造は昆虫嗅覚の基盤についての手掛かりをもたらす

Nature 560, 7719

昆虫の嗅覚は、イオンチャネルを介したシグナル伝達を基盤にしていると考えられている。このイオンチャネルは、共通して見られる共受容体Orcoを1つと、多様な嗅受容体のうちの1つから形成され、におい物質受容体がにおいの特異性を知らせる。Orcoは嗅覚ニューロンに広く発現し、昆虫間で広範にわたって保存されている。しかし、OrcoがORサブユニットと共に機能を備えたチャネルの一部を形成する仕組みは、よく分かっていない。今回V Rutaたちは、Orcoのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を示し、それが風車に似た形の四量体陽イオンチャネルを形成していることを明らかにしている。Orcoは7本の膜貫通セグメントから形成され、各サブユニットが集まって小孔が形成されている。イオンは中央の小孔を通って移動し、4つの側方導管から細胞質ゾルへ出て行くと考えられる。この研究は、昆虫の嗅覚の基盤に関する手掛かりを与えるものだが、さまざまな種類の昆虫が揮発性の化学シグナルを選択的に検出する仕組みについての答えを握っているのはORサブユニットの多様性のようだ。

Article p.447
doi: 10.1038/s41586-018-0420-8 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年8月23日号の Nature ハイライト

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