Nature ハイライト

気候科学:燃料補助金の廃止がもたらす恩恵は限定的

Nature 554, 7691

多くの政府が、化石燃料補助金を用いて自国で消費するエネルギー費を削減している。これが、補助金の廃止が気候変動の緩和に重要な役割を担う可能性についての頻繁な議論につながっている。今回J Jewelたちは、補助金の廃止によって、化石燃料輸出国では実際に二酸化炭素排出量がかなり削減されるが、全球の二酸化炭素排出量は2030年までに数%しか減らないと思われることを示している。削減量が限定的なのは、主に国際貿易と代替燃料によって影響が相殺されるためである。補助金の廃止によって再生可能エネルギーの使用が劇的に増えることはないとも見いだされており、補助金政策を大幅に見直しても気候緩和に大きな恩恵が得られる見通しはないとの示唆が強まった。

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