Nature ハイライト

微生物学:模倣で広がるポックスウイルス

Nature 546, 7660

リボソームは、サブユニット構成や翻訳後修飾の変化によって、mRNA特異的な翻訳を制御する能力を持つとされる。D Walshたちは今回、ウイルスが細胞装置を奪い取って自身の複製を促進する新たな方法を明らかにしている。ポックスウイルスは宿主のリボソームを改造して、ウイルスmRNAの翻訳を増大させることが分かった。このワクシニアウイルスは、リボソームのサブユニットに含まれるRACK1のセリン/スレオニン残基をリン酸化して、負に帯電したRACK1ループを作り出す。その結果、5′非翻訳領域(UTR)に翻訳エンハンサーとして機能するアデノシン反復配列を持つポックスウイルスmRNAの翻訳が優先的に起こるようになるのである。

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