Nature ハイライト

Cover Story:アフリカツメガエルのゲノム:古四倍体の実験動物Xenopus laevisのゲノムに見られる進化

Nature 538, 7625

脊椎動物の細胞生物学や発生生物学の研究に使われる重要なモデル生物の1つであるアフリカツメガエル(Xenopus laevis)は、数百万から数千万年前という昔に起こったゲノム重複の結果として生じた古四倍体の1つである。そのため、アフリカツメガエルは倍数性研究には理想的だが、そのゲノムの塩基配列解読は非常な難問となっていた。今週号には、国際研究協力チームがアフリカツメガエルのゲノム塩基配列を報告し、それを近縁種のネッタイツメガエル(X. tropicalis)のゲノムと比較している。解析の結果、アフリカツメガエルが異質四倍体であることが確認され、非対称的に進化した2つのサブゲノムが区別された。サブゲノムの一方では祖先的な状態が維持されている場合が多いが、もう一方には遺伝子の喪失や欠失、再編成や発現抑制が起こっていた。2つの二倍体祖先種は約3400万年前に分岐し、これらが約1800万年前に交雑して異質四倍体が形成された。。

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