Nature ハイライト

マイクロバイオーム:ヒトマイクロバイオーム内の可動性細菌遺伝子

Nature 535, 7612

可動性遺伝子は、細菌集団間に薬剤耐性などの新しいさまざまな機能をもたらす。しかし、ヒトマイクロバイオーム内の可動性遺伝子の機能や分布についてはほとんど分かっていない。今回、単一細胞ゲノミクスとメタゲノミクスを組み合わせて用いて、都市部に住む北米人81人と農村部に住むフィジー諸島民172人のマイクロバイオームに関連する可動性遺伝子が比較解析された。このフィジー諸島民のコホートは、開発途上地域でマイクロバイオームが調べられたコホートとしてこれまでで最大である。フィジー諸島民と北米人のマイクロバイオームの間には、主に食生活の違いを反映して、可動性遺伝子の含量に大きな違いがあり、また、こうした可動性遺伝子の含量の差異は、フィジー諸島の村間や個人間でも見られた。個人間に高度な多様性があることから、たとえマイクロバイオームの種構成が安定していても、食生活や薬剤などの環境要因がマイクロバイオームの機能を変化させる可能性が示唆された。つまり、微生物の可動性遺伝子プールはヒトの活動によって形作られ、また、可動性遺伝子の獲得は特定のヒト集団への微生物の定住に重要だということになる。

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