Nature ハイライト

幹細胞:半数体のヒト幹細胞

Nature 532, 7597

哺乳類の細胞は染色体をそれぞれ2コピーずつ持つ二倍体であり、そのため遺伝子機能の解析が複雑になる可能性がある。マウスで半数体の胚性幹細胞が作製されたことで、遺伝子機能をより簡便かつ速やかに研究できるようになった。となれば、同様の手法がヒト細胞でも可能になるはずだ。I Sagiたちは今回、半数体の卵母細胞から半数体のヒト胚性幹細胞を作製した。作製された細胞は、X染色体不活性化や遺伝子発現レベルの低下の点で二倍体細胞と違いはあるものの、正常な半数体核型と、自己複製や分化といった多能性特性を維持していた。著者たちは、この細胞が機能喪失による遺伝的スクリーニングに使用できることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度