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植物科学:ユーカリのゲノム塩基配列解読

Nature 510, 7505

ブラジルのユーカリ植林地。
ブラジルのユーカリ植林地。 | 拡大する

Credit: Veracel, Brazil

成長の速いユーカリの木は、世界の紙パルプ・化学セルロース産業を支えており、将来的にはバイオエネルギーやバイオマテリアルのバイオマス原料にもなると考えられている。今回、ユーカリの一種であるローズガム(Eucalyptus grandis)のゲノム塩基配列が解読された。その配列には、これまでに解読された植物ゲノムでは最多となる数の縦列重複が含まれており、また、化学的防御物質として機能し、独特な薬用精油の原料にもなる、特殊化した代謝産物の遺伝子群にも最も高い多様性が見られた。そして、ローズガムの姉妹種であるブルーガム(E. globulus)や他のローズガム系統との比較から、動的なゲノム進化および近交弱勢のホットスポットが明らかになった。包括的なゲノムデータが得られたことは、生産性や木材品質を高めるための育種サイクルの高速化、およびさまざまな環境に適したユーカリ系統の開発に関する研究に役立つと考えられる。

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