Nature ハイライト

Cover Story:燃料産生細胞:再生可能な資源からガソリンを作り出す改造細菌

Nature 502, 7472

表紙は、細胞内の代謝経路を石油生産プラントになぞらえたイラストである。原油価格の高騰と化石資源の枯渇は、再生可能な資源からの持続可能なバイオ燃料生産に関する広範囲にわたる研究を活気づけている。組換え微生物は選択肢の1つだが、C4からC12までの軽い液体炭化水素の混合物であるガソリンの微生物による生産はこれまでのところ実現していない。その一因は、細胞の代謝が主として長鎖脂肪酸とその誘導体の生産に好都合となっていることである。今回、Y ChoiとS Leeは、短鎖アルカン、遊離脂肪酸、脂肪酸エステルや脂肪族アルコールを生産するように遺伝子操作された大腸菌株群について報告している。最終的に得られた組換え株は、1 リットル当たり580.8 mgもの短鎖アルカンを生産し、その主成分はノナンおよびドデカンであった。今回発表された代謝経路操作戦略は、多数の有用な産業用燃料やおよび化学物質として短鎖脂肪酸やその誘導体を生産する微生物の設計に有用と考えられる。

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