Nature ハイライト

宇宙:確認された最も遠方の星形成銀河

Nature 502, 7472

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた北の空の深宇宙画像。拡大部は確認されたばかりの最も遠方にある銀河z8_GND_5296。
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた北の空の深宇宙画像。拡大部は確認されたばかりの最も遠方にある銀河z8_GND_5296。 | 拡大する

Credit: V. Tilvi (Texas A&M), S. Finkelstein (UT Austin), the CANDELS team, and HST/NASA

ハッブル宇宙望遠鏡のデータから、ビッグバン後10億年以内の赤方偏移を持つ銀河の候補が多数得られたが、現在のところ、それらのうち距離が確定しているものは数個しかない。S Finkelsteinたちは、KECK I 望遠鏡に搭載され新たに稼働したMOSFIRE分光器を用いて、赤方偏移7.51に輝線を持ち、ビッグバン後7億年の時代のものと特定される銀河を見つけた。この銀河は、分光学的に確認された最も遠方の銀河となる。この銀河の色は、多量の金属の存在と矛盾せず、その星形成率は年に約330太陽質量と予想外に高く、天の川銀河に見られる星形成率の100倍以上である。この結果から、初期宇宙には、活発に星形成するこのような領域が、これまで予想されていたよりも多く存在する可能性が示唆される。

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