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考古学:魚の調理に使われた最古の土器

Nature 496, 7445

新潟県の久保寺南遺跡から出土した縄文時代草創期(約1万5000年前)の土器。
新潟県の久保寺南遺跡から出土した縄文時代草創期(約1万5000年前)の土器。 | 拡大する

Credit: Tokamachi city museum

土器の発達は人類の歴史の中でも画期的な出来事の1つであり、高度な調理や貯蔵などの多くの技術に道を開いた。知られているかぎりで最古の土器製作民は、農耕や定住的な生活様式が発達するはるか以前の東アジアに居住していた。当時それらの土器が何に使われていたのかは推測の域を出なかったが、今回その化学的分析が行われた。縄文時代草創期(1万5000〜1万1800年前)の焦げの付いた土器101点について、クロマトグラフィーによる安定同位体分析が行われた結果、土器が調理に使われていたことを示す最古の証拠が得られた。また、土器の破片から抽出された脂質は、海産および淡水産の生物に特徴的なものだったので、当時のメニューには魚が含まれていたと考えられる。

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