Nature ハイライト

細胞:単一細胞プロテオミクス

Nature 441, 7095

生きた細胞は何千種類にものぼるタンパク質を生産しており、その量の調節は細胞の生理的機能にとって極めて重要である。それぞれのタンパク質は少量しか作られないため、個々に測定するのは技術的にむずかしい。しかし今回、ハイスループットフローサイトメトリーと蛍光標識を用いた新しい方法で、酵母の2,500種類以上のタンパク質の量が単一細胞レベルで計測された。これによって、環境変化に対する細胞の応答について、DNAマイクロアレイで得られたのとはまた別の知見が得られ、さまざまなタンパク質の「ノイズ」レベルがその機能に応じてある程度決まることが明らかになった。重要な「ハウスキーピング」型のタンパク質のノイズは多くの細胞で均一だが、環境への応答にかかわるタンパク質の場合は細胞によって異なっている。ノイズレベルに影響するその他の要因としては、細胞内でのタンパク質の存在位置や、そのタンパク質の生産を調節する機構が挙げられる。

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