Nature ハイライト

Cover Story:飛行計画:夜間飛行の削減で飛行機雲による 温暖化を低減

Nature 441, 7095

高空を飛ぶ航空機により形成される飛行機雲は、地球のエネルギー収支に対して高層の薄い氷雲と似た影響を及ぼす。これらの雲は地球や大気からの外向き長波放射を捕捉し、入射する太陽放射を反射する。平均すると、長波放射の影響のほうが大きく、正味として大気を暖めている。この影響はほかの放出物に起因する影響に比べると小さいが、空の交通量が増加するにつれて、この現象の解明が重要になってきた。英国南東部上空における調査から、この影響は飛行機雲の形成される時期に極めて大きく左右されることがわかった。夜間の飛行は全体の4分の1にすぎないが、飛行機雲による温暖化の原因の最大80パーセントを占めている。しかも、飛行機雲による1年間分の温暖化の半分は冬季の3か月間に生じている。飛行機雲の放射特性と短い寿命を考えると、空の交通が気候へ及ぼすこのような影響は、航空機の運航スケジュールを調整することで最小限にできるかもしれない。 [Letter p.864; www.nature.com/podcast]

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