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生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知

Nature 494, 7435

<i>tmc-1</i>発現している化学感覚ニューロンを蛍光タンパク質で染色した線虫。
tmc-1発現している化学感覚ニューロンを蛍光タンパク質で染色した線虫。 | 拡大する

Credit: William Schafer

苦味、甘味、うま味に対する受容体は同定されているが、塩味と酸味に対する受容体はまだ確定していない。今回W Schaferたちは、膜タンパク質TMC-1が線虫(Caenorhabditis elegans)の塩回避行動に必要であることを見いだし、TMC-1がin vitroで塩化ナトリウムにより直接活性化されるイオンチャネルとして機能することを明らかにした。TMC-1のヒトホモログは難聴と関連しており、今回の研究によって、TMC-1は長年探し求められてきた蝸牛有毛細胞の機械的シグナル伝達チャネルの有望な候補となった。哺乳類には機能が未知のTMCタンパク質が複数存在し、これらのうちの1つあるいは複数が、触覚や塩味などの感覚シグナル伝達過程に関与している可能性がある。

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