Nature ハイライト 物理:電子顕微鏡を一工夫 2006年5月25日 Nature 441, 7092 既に強力な研究機器となっている電子顕微鏡だが、従来型の透過型電子顕微鏡(TEM)で磁気円二色性を検出できることがわかり、これまで以上に有力な研究手段となりそうだ。磁場印加時に左右の円偏光の吸収が異なる物質は、磁気円二色性を示す。シンクロトロンX線光子を用いた磁気円二色性測定は、磁気現象を調べるための有用な手段である。新技術であるEMCD(エネルギー損失磁気不斉二色性)検出法は、X線吸収と非弾性電子散乱の類似性を利用して、本来ならば費用のかかるシンクロトロンを使って得られる機能をTEMにもたせるものだ。EMCDは、スピントロニクスやナノ磁性をはじめとする多くの分野で役立つ可能性がある。 2006年5月25日号の Nature ハイライト 進化:頭に注目 宇宙:銀河系ではまれなγ線バースト 遺伝:マウスでも見つかったパラミューテーション 物理:電子顕微鏡を一工夫 工学:より高性能のシリコン 地球:海面下の噴火活動 進化:協力と裏切りのせめぎ合い 微生物:ボルバキアにぴったりのすみか 細胞:治療手段として期待されているshRNAに副作用 目次へ戻る