Nature ハイライト
Cover Story:見えない所を見る:不透明な光散乱層を貫く非侵襲的画像化法
Nature 491, 7423
不透明で、光を散乱する層を通した画像化は、ナノテクノロジーや生物科学などの多くの分野で重要な技術である。有望な方法はいくつか開発されているが、それらは一般的に、散乱層の後ろに検出器、あるいは非線形材料を置くなどの侵襲的な手法を含む。J Bertolottiたちは今回、レーザー光が散乱媒質中を通過する際に発生するスペックル強度パターンの相関を利用する非侵襲的な画像化法を実証した。散乱層によって見えなくなった、マイクロメートル程度の大きさの蛍光物体は、複数のレーザー入射角で全蛍光を測定し、物体とスペックルパターンの空間情報のもつれを解く反復アルゴリズムを使うことで、画像化できる。この方法により、散乱層の6 mm後ろに隠された細胞サイズの蛍光物体と、2枚の不透明なスクリーンの間に挟まれた複雑な生物試料について、詳細な画像の構築が成功した。
2012年11月8日号の Nature ハイライト
宇宙:太陽系近傍星に発見された地球質量の系外惑星
脳:中脳ニューロンによる報酬と忌避の調節
微生物学:海底堆積物中の細菌が作り出す生きた送電線
生化学:タンパク質の折りたたみをもっと容易に
宇宙:超光度超新星の発見
地球:極運動を抑える力
合成生物学:人工遺伝子回路の複雑性をレベルアップ
免疫:B細胞由来のインターロイキン21
細胞:DNA一本鎖上でのRecAの働き
生化学:piRNA合成におけるZucchini酵素の役割