活性化されていない炭素–水素(C–H)単結合の官能基化は、単純な分子から複雑な分子を効率よく迅速に合成する方法の1つである。しかし、対象分子が等価ではないC–H結合を複数持つ場合、C–H結合を選択的に活性化することは難しい。今回、容易に取り外せる「テンプレート」によって、テザー型アレーンの離れたメタC–H結合(結合10個分以上離れている)の活性化が導かれることが報告されている。この方法を用いて作られた斬新な構造は、従来法ではきわめて合成しにくいもので、これは新しいC–H活性化反応の開発に向かうまた別の道となるかもしれない。
2012年6月28日号の Nature ハイライト
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