Nature ハイライト

遺伝:明らかになったゲノムの空間的構造

Nature 485, 7398

ゲノムの空間的構造は生物学的機能と関連している。一方、近年のゲノム技術の進歩により、染色体のコンホメーションがゲノム規模で評価できるようになった。今回、ゲノムの空間構造について、2つの研究グループが相補的な内容の論文を発表している。B Renたちは、3C(chromosome conformation capture)技術を改変したHi-Cという手法を用い、ヒトとマウスのゲノムの三次元構造を、胚性幹細胞と最終分化した細胞種で調べた。メガ塩基サイズの大きなクロマチン相互作用領域が、ゲノム構造の広範囲にわたって、保存された特徴として存在することがわかり、これは「トポロジカルドメイン(topological domain)」と命名された。E Heardたちは、5C(chromosome conformation capture carbon-copy)技術と高解像度顕微鏡観察により、マウスX染色体のX不活性化中心などの広い範囲にわたる染色体相互作用の高解像度マップを作成した。また、それぞれトポロジカルに関連のある一群の領域と、調節機能を持つと考えられる新規の長鎖遺伝子間RNAの存在も明らかにされた。

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