Nature ハイライト

遺伝:精神疾患における遺伝子量の影響

Nature 485, 7398

コピー数多型(CNV)は遺伝性疾患に重大な影響を与えており、なかには表現型に対して相反する影響を及ぼすものもあることが明らかになっている。例えば、染色体の16p11.2領域の重複は、自閉症、統合失調症および小頭症と関連しており、逆にこの領域の欠失は自閉症、肥満および大頭症と関連している。N Katsanisたちは今回ゼブラフィッシュを使い、このゲノム区画内のオルソログ遺伝子について、2つを対にして発現レベルを操作することにより、KCTD13が大頭症と小頭症の表現型を再現できる遺伝子座であることを突き止め、また、こうした表現型は細胞増殖異常によるものであることを明らかにした。ヒトでのこのほかの遺伝学的データと合わせて考えると、これらの結果は、KCTD13が16p11.2の重複や欠失と関連した神経発達表現型の主要な駆動要因であることを示唆している。今回用いられた手法は、ほかの遺伝子量感受性の遺伝子座を突き止めるのにも使えそうだ。

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