Nature ハイライト

地球:海洋鉄鉱層の地質年代学

Nature 484, 7395

海洋に含まれる酸素が少ない場合には、海底に鉄鉱層ができる。そのため、約23億2000万年前の大気中酸素の増加は鉄鉱層形成低下を引き起こしたと考えられている。しかし、その5億年後に酸素化した大気環境下で鉄鉱層が突然再出現したことは、いまだに謎のままである。18億8000万年前のこのような鉄鉱層の大部分は北米で見つかっているが、今回報告された最新の地質年代学データによって、大規模な鉄鉱層がほぼ同時期にオーストラリアでも形成されたことが明らかになり、鉄鉱層の形成が全球の海洋の化学的性質や酸化還元状態を反映したものであることが示唆された。活発化した火山活動や熱水活動が大量の鉄を放出し、それによって海洋の化学的性質が変わり、大規模な鉄鉱層が作られたと考えられる。火成活動の低下は、鉄鉱層の消失につながった。

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