Nature ハイライト

物理:X線レーザーの着実な進歩

Nature 482, 7383

自由電子レーザーの出現で、これまで可視光レーザーでしか達成できなかった高い強度がX線波長域で生成できるようになった。これは、理論と実験の両方に新しい機会を開く。S M Vinkoたちは、カリフォルニア州にあるSLAC国立加速器施設の線形加速器コヒーレント光源(LCLS)自由電子レーザーを用いて、固体密度の物質と相互作用する強力なX線放射を初めて詳細に研究した結果を報告している。この実験で、固体密度プラズマの発生が観測され、衝突がきわめて重要な役割を果たすことが実証された。この結果は、生物試料のX線回折画像化や物質科学の研究などの、高密度試料がかかわる将来の高強度X線実験を啓発すると考えられる。

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