Nature ハイライト

医学:強毒性SIVを防御するワクチン

Nature 482, 7383

HIV-1ワクチンのヒトでの部分的有効性が最近実証されているにもかかわらず、感染成立を防ぐのに必要な免疫応答は未だに明らかになっていない。今回Barouchたちは、アカゲザルでサル免疫不全ウイルス(SIV)の強力な株(SIVMAC251)の感染成立がワクチンによって防御されることを示している。試験が行われたのは、Gag、PolおよびEnvウイルス抗原を発現する2種類の候補ワクチンである。ワクチン接種後にSIVMAC251を繰り返しチャレンジ感染させたサルでは、SIV感染成立の遅れが観察された。感染成立に対する防御はEnv特異的抗体応答と相関しており、感染を遅らせるのにはEnv特異的抗体応答がきわめて重要なのではないかと研究チームは考えているが、それらの抗体が防御を代行しているのか、それとも因果的相関性を示しているのかは、まだはっきりしていない。

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