Nature ハイライト

神経:シナプスにタグを付けて連合学習を助ける

Nature 482, 7383

連合学習にはシナプス可塑性と神経調節作用がかかわると考えられているが、非特異的な強化信号が存在する環境下で、どのシナプスを変化させるべきかを神経回路が決める仕組みはまだ解明されていない。今回、S CassenaerとG Laurentは、バッタの嗅覚系に注目して、「スパイク発火のタイミングに依存した可塑性」がシナプスのタグとして働き、特定のにおい物質に応答して活動するシナプスだけを標識することを明らかにしている。このタグ付けが、シナプスにその後のオクトパミン(昆虫の学習や記憶にかかわる神経調節物質)による調節作用を促すことになる。この知見によって、神経調節物質の放出は広範囲に広がり、感覚入力より遅れて起こるにもかかわらず、特定の回路だけに作用できる仕組みが説明できる。

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