Nature ハイライト

構造生物学:神経伝達物質チャネルの内向きと外向きの構造

Nature 481, 7382

中枢神経系における化学神経伝達は、シナプスから放出された神経伝達物質が周囲の神経細胞やグリア細胞に再び取り込まれて終結する。化学伝達物質は、神経伝達物質ナトリウム共輸送体(NSS)によってシナプス間隙から取り除かれる。今回、NSSファミリーの細菌ホモログの1つであるLeuTの外へ向かって開いた状態と内へ向かって開いた状態のX線結晶構造が決定された。外に向けて開いた状態の構造は、基質の結合が細胞外ゲートの閉鎖を引き起こす仕組みを示している。内へ向かって開いた状態へ切り替わるには、膜タンパク質であるLeuTが大規模なコンホメーション変化を起こすことが必要である。新たにわかったこれらの構造から、NSSの作動機構や、治療薬や違法薬物によるそれらの機構の変調を説明する枠組みが確立される。

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